家紋のブログ

家紋あれこれ

会社勤務の頃、業務上どうしても家紋を覚える必要がありました。
現役を離れて数年が経ち、ウォーキング中にふと見上げた蔵の家紋に昔の記憶が甦りました。
お寺や神社、旧家の蔵、商店の看板やのれん、お墓など見て歩いています。
学術的な難しい事は解りません。あくまでも見て楽しむ。
珍しい家紋に出あった時の嬉しさ、そんな価値観を共有出来る方がいれば嬉しく思います。

家紋見て歩き(蔵)

蔵に意匠されている字紋です。
ここに掲載したのはその一部ですが、変化に富んでいて楽しいですね。
資料を整理してみて始めて気がつきまして、そしてこの語呂合わせにしてみました。
字紋は其々が独自の意匠を施していますので、家紋資料にはありません。
なので家紋図は省略しました。
変化に富んでいるのは紋だけではありません。蔵そのものも、屋根や窓や壁など色々ありそれもまた楽しみの一つです。
左上の「上」の字は、何かに似ていると思いませんか。
そうあの木津川合戦で織田軍に勝利した村上武吉の村上水軍の家紋です。
村上水軍「丸に上の字」そんな夢想をしながら見て歩いています。

   

家紋見て歩き(蔵)

私の住んでいる首都圏では、この様な立派な蔵を持っている農家は、減る事はあっても増える事はありません。高齢化や後継者不足は何処にでもある問題です。
ある日、今まであった大きな農家が、更地になり宅地分譲地になっていた。なんて事は枚挙にいとまがありません。
こうして誰にも気にされずに、日本の文化が一つまた一つと消えて行きます。
私に出来る事は記録に残す事ぐらいです。時間をみつけては記録を撮る為に歩いています。

家紋で遊ぶ(藤)

万葉集などでは藤の花を「藤波」と詠むそうです。
家紋としては「下り藤」が先に意匠され、「上り藤」が後のようです。
十大家紋の一つですが、では下りと上りではどちらが多いのか。
下りの方が多いようですが、はっきりとした統計もありませんので、今の所は解りません。
大久保忠世・安藤信正・伊藤博文、等の有名武家は「上り藤」です。
下りは縁起が悪い。縁起を担ぐことの多い武家は「上り藤」を多用したようです
また苗字に藤が付く家では「藤」紋が多く使われています。


下図の片手藤と藤巴紋ですが、これは両方共に左右があります。そして同じ意匠です。
同じ意匠に別々の名がある。これは家紋の中では珍しい事ではありません。
下紋図は藤紋では有名な黒田官兵衛(如水)の長子、福岡藩黒田長政の「黒田藤」です。

家紋で遊ぶ(源氏香)

あなたが心を開いて雲居の雁のことを思ってくれるのなら
私もあなたを頼りにしましょう
源氏39歳の春。庭の藤が見事に咲き揃ったのを受けて内大臣は宴を催すことにした。


桜が終わると次に出て来る、花の便りは藤ですね。日本各地の藤棚がニュースで流れます。
源氏が見た庭の藤は、樹のままか棚にしたものかどちらですかね。
古来から日本人は花見が大好きな民族なのですね。

家紋で遊ぶ(八重桜)

   奈良七重 七堂伽藍 八重桜     松尾芭蕉
  ならななえ しちどうがらん やえざくら


松尾芭蕉の俳句のなかでも、固有名詞だけの特筆な句だそうです。
解釈は諸説あるようで、奥は深いみたいです。


八重に咲き八重に散る。
一足遅く咲く八重桜は華やか絵にも句にもしたくなります。
そんな八重桜で今回は遊んでみました。
「九曜」紋は九曜星ともいい、他にもこの九曜の形にした意匠の紋が多くあります。

八重桜の裏は、私も今回始めて見ました。この様に見る機会は、家紋になければまず見る事はないでしょうね。軸が★になっています。家紋図とは少し違うようです。
新たな発見でした。