家紋見て歩き(瓦紋)
今回も、とある日本の城下町で見た、瓦に意匠されている屋号紋です。
この城下町では、この「田の字」紋がとても多いのです。まだまだ他にもあるんです。
平野で川が多くあり水の利が良く、昔から稲作が盛んな地域だからですかね。
商いの種類や屋号の名とは関係なく、田の字が意匠されているのは五穀豊穣の願いからかも知れません。
この様な字紋は紋帳を探しても出て来ません。瓦紋に合わせて私が作図したものなので、
出来栄えについては大目に見て下さい。
それにしても面白ですね。同じのはありません。其々に個性的で職人さんの心意気が伝わって来ます。其々に字の上部が山形に合わせて切ってあります。そして四つの窓を見て下さい。枠の曲りに合わせて意匠されています。
瓦を見つめて、こんな細かいところまで見ているのは私だけですかね。
田の字の上ですが、左から上には無く字だけで、次は「山形」で同じ太さで線に対して直角切ってありま。次は「入り山形」で線の末を広げて水平に切ってあります。
右は「出山形」で字に比べるとかなり細い線で、線に対して直角に切ってあります。
この山形だけ見ても、これだけの違いがあり楽しいですね。その「山形」紋の違いの多さは城下町だけでもかなりの数になります。
前にお話ししたかも知れませんが、商家でこの「山形」紋を多用するのは、山は漢数字の八に例えて末広がりで商売繫盛と、大古から山には神様が住み、多くの山が信仰の対象でした。その山に屋を守ってもらうという、信仰的縁起的な意味合いからだと思われます。
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