家紋のブログ

家紋あれこれ

会社勤務の頃、業務上どうしても家紋を覚える必要がありました。
現役を離れて数年が経ち、ウォーキング中にふと見上げた蔵の家紋に昔の記憶が甦りました。
お寺や神社、旧家の蔵、商店の看板やのれん、お墓など見て歩いています。
学術的な難しい事は解りません。あくまでも見て楽しむ。
珍しい家紋に出あった時の嬉しさ、そんな価値観を共有出来る方がいれば嬉しく思います。

家紋で遊ぶ(茗荷)2

茗荷紋は食物紋のなかでは、使用頻度や変化の形の多さでは上位です。
その中でも、圧倒的に使用頻度の多い形が「抱き茗荷」です。
外の茗荷は何処へ行ってしまったのだ。というぐらいに見かけるのは「抱き茗荷」
です。そんな「抱き茗荷」を色々な紋で遊んでみました。
扇地紙。紙(昔は和紙)を扇形に切ったもので、資料では地紙と表わしています。
私はあえて扇地紙と表すようにしています。
「五つ鐶輪に抱き茗荷」
この鐶とは何の物でしょう。

写真の古タンスに付いている引手の事なのです。
それを五つ輪状に並べて、中に茗荷を置いたという事です。
昔の箪笥は皆この引手でしたよね。建付けが悪いと全部がカタカタと
うるさかったですね。歳がわかりますね。
扇や団扇も含めて、このような生活道具を意匠した家紋はまだまだたくさん
あります。家紋ついての制約の無い江戸時代に、農民や商人などの人達が
考えたのでしょうね。